文庫本を買う人々

ぼくはよく本屋に行くのだが、見ていると無駄なスペースが目に付く。

実際は無駄ではないのかもしれないが、ぼくみたいな素人からすると

費用対効果の面で疑問に思ってしまうのだ。

それは文庫本のコーナーである。

たいていどこの本屋でも文庫本コーナーには人がいない。

売り場面積としてはかなり広くとられているものの、お客さんの数はゼロに等しい。



お客さんの数が多いのは雑誌コーナーでしょう。

あとは平積みしてあるビジネス書のところとか。

ほとんどそれらの売り上げで本屋の経営が成り立っているような感じがする。

昔の作家の文学作品なんて誰も買わないんじゃないか。

たとえば森鴎外とか・・・

図書館やブックオフに行けばいくらでも同じものがある。

だからわざわざ新品を買わなくても・・・

それでも、年に一冊くらい売れるのだろうか。

本屋の文庫本コーナーは売り場というよりも書庫といった趣がある。

もしかしたら一見無駄とも思えるスペースが、じつは無駄じゃないということだろうか。

そういえば、都会の一等地のビルでも、エントランスが吹き抜けになっていて

無駄に広かったりすることがあるけれど

あれも贅沢さを演出するためのものかもしれない。

なんでも効率重視だと入口からすぐにオフィスや店舗がひしめき合う造りが

最良となってしまうはずだからだ。

一戸建てを持つなら書斎が欲しい・・・といった御主人がいる。

居間や寝室とは別に、自分だけの趣味の部屋・・・

実用とは無縁の贅沢な空間・・・

そういったものに豊かさを感じる。

マイホーム主義者ならば当然に求めてやまないものだろう。

さて本屋である。

本屋に文庫本コーナーは必要不可欠なものか?と問われれば

そんなことはないと答えざるを得ない。

でもやっぱり文庫本コーナーのない本屋というのは、いまいち本屋らしくない。

売れ筋でない商品も豊富にそろえているところは、

消費者の信頼感を得やすいのではないかと思う。

文庫本コーナーの面積は、ちょっとした雑貨屋なんかができるくらいの広さがある。

一冊500円くらいの本が日にどれだけ売れるのだろうか?

どう観察していても、

そこの面積分の家賃を稼ぎ出せるほど売れるようには思えない。

ぼくは出版業界のことはまるでわからないのだが、

原価がすごく安いのだろうか?

そうね、一冊10円とか・・・

とてつもなく利益率がいいなら、たくさん在庫しててもいいと思う。

きょうも本屋に寄ってみたが、やはり文庫本コーナーには人がいなかった。

小説を読むという人は贅沢な人なのかもしれない。

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