クレームの電話を録音したい

お詫び係のおれは上司に呼ばれる。

「『担当者じゃないから、わかりません』なんてお客さんに言うなよ。

お客さんは、おまえが担当者かどうかなんて関係ないんだから」

上司曰く「わたしには、わかりません」なんて言われて

納得するお客様なんていないというのだ。

問い合わせの電話をかけてくるお客様は、不満を訴えたいのと

その原因となった理由を知りたいんだから

「わたしには、わかりません」で、つっぱねるような言い方をしたら、

火に油を注ぐようなもんだろう。と言うのである。



まあ、確かにそうだ。

「うちの会社は担当者なんて特に決まってないんだからさ――電話に出た者が

すなわち担当者なんだよ」と上司は言った。

「すぐに回答できないことなら『ただいま、担当者が不在ですので、

代わってお話をお伺いいたします』って対応してくれ。

あと大事なのは自分から名乗ってね。

それで、話の内容を訊いたら担当者に伝えるからと言って、いったん電話を切る」

それから調べるなりなんなりして、またお客に自分から電話しろ。というのが

上司の指示だった。

何か質問されて「わたしは知りません」とか、

何か求められて「わたしには権限はありませんから」とか、

挙句に「また電話をかけてください」では、お客さんは納得しないだろう。

相手を突き放すような言い方をしないことと注意をうけた。

だからといって知ったかぶりしてまで対応しないように、ともつけ加えられた。

あと、こちらから折り返し電話をする時は、

日時の期限をお客さんに伝えるように言われた。

たとえば「今日の5時までに」とか「今週中に一度途中経過をお伝えします」とか。

「後日お電話いたします」だけだと、お客さんとしては、いつかかって来るかわからず

また催促の電話がかかって来る場合が多いので、かならず期限を設けて

電話をするようにとのことだ。

うちの会社の電話は録音機能がついてないので、

こちらがメモを詳しく取るのは必須なのだが、

お客さんにもメモを取ってもらうようにお願いしなければならない。

「念のためメモをお取りになっていただけますか?」

これは言った言わないの水掛け論になるのを防ぐためだ。

しかし、これだけクレームの電話が毎日かかってくるのだから

録音装置があるべきなのだが、購入してもらうように上司には

言ってあるが、いまだに実現していない。

大手企業のコールセンターなんかに電話すると

たいてい自動音声で「サービス向上のために録音します」といった感じの

アナウンスが初めに流れるのだが。

うちの会社にも後付の録音装置を導入してもらいたいものだ。

それとマニュアルの作成もおれがやらなければ誰もやらないので

少しづつ進めていくつもりだ。

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