そうだハローワークに行こう!

かぎりなく続く渋滞の上には澄んだ大気を思わせる

蒼い空が遥か富士山の向こう側まで広がっていた。

雲ひとつないキャンバスに冬の太陽が

燦然と輝きだす。

この部屋の中にもその日差しがそそぎ込むとき

ベッドの上でおれは目を覚ました・・・

「おぉ、きょうも生きてる。そして天気もいいじゃないか」

両手をあげて伸びをすると、すぐに窓辺に近寄り景色をながめる。

カーテンはあえて開けたままで寝ることにしていた。

そのほうが太陽光で自然と目覚めることができるというものだ。

これなら目覚まし時計など使う必要性はまったくない。

もっとも今は失業中なので時間通りに起きる必要性もないわけだが。

ここは郊外のタワーマンションの最上階。

南向きの大きな窓ガラスからは充分な太陽の恵みが供給される。

きょうみたいな快晴ならば日中は暖房をしなくても何の不足もなかった。

ガラスにはUVカット加工が施してあり、日焼けの心配はない。

それに調度類の色褪せも防げるという点はすぐれている。

おれはコーヒーを淹れる。

ちょうどカップ一杯分をドリップできる使い捨てのやつだ。

これが、ひとつ20円くらいだろうか。

朝は喫茶店でモーニングという御仁もいらっしゃるだろうが

トースト、ゆで卵、サラダ、コーヒーで500円はする。

それらを自宅でそろえれば100円もしないで済む。

たいして手間もかからないし、ここならタバコの煙もない。

ケチってると言われればそれまでだが、

おれからしてみれば店でモーニングを注文する妥当性がない。

ただたんに習慣化して毎日朝の散歩コースや

出社前の経路に組み込んでる人も多いのではないだろうか。

シャワーを浴びて身支度は整った。

自宅から徒歩5分の場所にハローワークはある。

本日は雇用保険受給資格の認定日なのだ。

おれの場合は『3型ー水』

これは、その月の3番目の水曜日を意味しているそうだ。

2019年2月20日 水曜日ということ。

3月の場合も3番目の水曜日は、やはり20日である。

雇用保険を受給する人は

毎月1回、求職活動の状況をハローワークに出頭して

申告することになっている。

月のうち2回以上の求職活動をすればいいのだが、

ただネットの求人広告を見たりしただけではダメ。

実際に会社に応募書類を送付したり面接に行ったり、

派遣会社やハローワークで相談したり紹介を受けたり

しなければ求職活動とはみなされないわけだ。

おれの場合はもっぱらハローワークの職業相談を利用してます。

先日、話の分かる相談員のY氏に名刺をいただいたので

(これは予約カードも兼ねている)

受付カウンターの初老の男性職員にそれを見せY氏を指名したのだが、

「ああ、Yは今ほかのお客さまと相談中ですので・・・」

と相談コーナーの方に目をやりながらつぶやいたきり

話を終わらせようとするじゃないか。

「ええ、それはわかるのですが、Yさんと相談したいので

予約をお願いできますか」

と伝えたところ職員は番号札を渡してきながら

「そうですね・・・もし、手が空いてたらそうさせますが」

とトンチンカンなことを言ってくる。

「いやいや、ほかの相談員の方だとまた最初から説明しなきゃならないし

Yさんも指名を了承してるからこそ私にこの名刺をくれたのだから、

もし時間がかかるなら待ちますのでYさんをお願いします」

とか、おれもちょっとムキになっていたと思う。

ほかにもいろいろと理由をつけてやり取りしてみたのだけど、

何度伝えても初老の男はニタニタと苦笑いをするばかりで、

おれの要望に取り合ってはくれなかった。


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