前の会社では・・・という新人

去年の夏に新人が職場に入ってきた。

新人といっても若者ではなく、ぼくよりも年上だった。

業界の経験は豊富なようで、あれこれこちらが教える前に

言葉をかぶせてくるのが鬱陶しかった。

うちは小さい会社なので人事総務部が面接をやって

問題がなさそうならすぐ現場に投入してくるようなのだが、

なんだかやりにくいんですよ、

「前の会社では、〇〇だった」とか多くて。



上司に相談して、その新人の教育から外してほしいと言ったのだが、

「新人を教育するのも仕事だから」という返事で却下された。

だんだんその新人が疎ましくて嫌いになってきて

顔を合わせると動悸がするようになってきて、ぼくは会社に来るのが怖くなってしまった。

新人は業界のベテランだし、うちよりも規模が大きく知名度も高い会社にいたので、

周りのみんなは無闇に持ち上げてるところがある。

でも、結局なぜ新人は転職するに至ったのか、みんな考えようとしていない。

うちの会社は専門性が低くて三流の地位にあるのだが、

それを克服するような社風はない。

みんな「しょうがないよ。うちの会社は・・・」と言って勉強もしない。

価格の設定とかも他社の金額を参考にしないと何も決められない。

常に他社がどうやっているか、なのだ。

自社でこれだけコストがかかって利益をこれだけ欲しいからということで

値段が決まることはない。

業界大手のA社とB社の値動きを見て後出しで決めてばかりいる。

そして、格上企業から来た新人である。

みんな新人のやり方こそ本物なんだという意識があった。

もちろん新人のいうことに、いちいち反発する古株もいるが

上司は新人を即戦力として高く買っているような感じだった。

ぼくも上司から「おまえも見習ってしっかりやれ」的な説教をされたり

でもね、みんな考えるのを止めてるだけなんだよね。

ちょっとわからないと新人に何でも聞いて、それでよしなんだから。

新人もどことなく、知ったかぶりしてる面もあって

全部を信用できるわけじゃないんだけど、

とにかく質問すれば何かしら回答するので、みんな重宝してしまう。

やがて、その新人が提案したことに疑いを持ったり検討することもなく

業務をすすめてしまうようになった。

でも、新人のおかげで、みんなグダグダ考えてる時間がなくなり

作業スピードがアップして仕事がはかどるようになったのは事実なんです。

もう新人なしじゃ仕事が回らない感じで、

たぶん異例の出世をするんじゃないかな。

ぼくは始め鬱陶しいと思ってたんですが、

じつはすごく仕事ができる人だったんだなって最近になって

認識を改めるようになりました。

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